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新・市長日記 福島第一原発と双葉町(広報いしおか3月1日号)

2月2日(火)

福島第一原発と双葉町

レンガ色の洒落た5階建てのビルは旧双葉町役場で、一歩中へ入ると無人の窓口カウンターが並んでいます。

東日本大震災前の双葉町は、人口7千人を超えていました。今はいわき市と郡山市、南相馬市、加須市、つくば市に役場機能を移転し、計6千200人の町民が分散して住んでいます。「ずっとふるさと。双葉町」との文字が掲げられ、町民のふるさとに対する切実な思いが伝わってきます。

茨城県市長会の行政視察で今回お邪魔したのは、双葉町と福島第一原発で、その復旧・復興の様子と町民の生活支援、絆の維持について見聞を広め、知見を得ようとするものでした。
旧役場の屋上で伊澤史朗町長は、海の方を指さしました。
「大地震が起きて、間もなく津波が町を襲いました。そして決定的だったのは原発事故でした」
三つ目の災厄は町を居住困難にし、今なおその96%が帰還困難区域で、4%が避難指示解除準備区域となっています。

目の前に広がる荒れ果てた田んぼや畑、ひと気のない住宅地や商店街は、静寂と虚無感に包まれていました。
ふるさとを喪失することの辛さが、海岸線の立枯れの松林を前にして、痛切に迫ってきました。

「あの建物の3階部分まで津波が襲ってきたんです」と案内者の説明です。砂浜の奥に立つ町営のマリーンハウスには、被害の爪痕が今も残っていました。
中心商店街をバスの車窓から望むと、倒壊寸前の店舗や枯れた街路樹、放置された乗用車など、廃墟と化した街並みが次々に現われては消え去ります。
JR双葉駅のホームに立つと、さびたレールとそこここに自生した松の緑が対照的で、人智が自然に及ばぬさまを見せつけられているようでした。
ここから南へ、180キロメートルの地点が石岡駅です。そのことを思うと、この原発事故は決して遠い世界の出来事ではなく、身近で共有すべき恐ろしい災厄なのです。

『福島第一原発と双葉町』の画像
▲マリーンハウス前で坪井かすみがうら市長と

かつて私は東海村JCO臨界事故の日、茨城大学で講義を予定していましたが、中止を余儀なくされました。
石岡は原子力発電所のある東海村まで45キロメートル程度の距離です。
被曝という被害は、目に見えない放射能が相手なだけに、油断できません。

市長会のバスは、身体と車両の被曝状況を調べるスクリーニング場を経て、いよいよ福島第一原子力発電所に近づきました。
テレビで見た1号機から4号機の建ち並ぶ構内に入ると、緊張感が高まりました。

しかし、構内は除染が進み、放射性物質の濃度は安全圏内にあり、全身防護服の作業員は一部にしか見られません。
私たち見学者は、マスクに軍手、ビニールの靴を覆いただけで、施設間を移動します。

敷地のいたる所が建築ラッシュで、訊けば1万人に及ぶ関係者がここで復旧復興作業をしているそうです。
東電幹部の説明によれば、廃炉に向けた作業は30~40年かかり、その中でも汚染水対策は大きな課題だそうです。 
確かに広大な敷地のいたる所に巨大な汚染水タンクが林立しています。
事故で溶けた燃料を冷やした水と地下水が混ざり、1日300tもの汚染水が発生していて、それが巨大タンクの連続増設につながっています。

放射性物質の除去から飛散防止、海域遮水、汚染水対策など、現場は英知を結集して懸命の努力を重ねています。
その上で、平穏な地域に戻るのには半世紀近い歳月がかかりそうです。

視察を終えて、バスは原子力発電所を後にしました。ひと気のない双葉町の夕暮れを目にし、1日も早い町民の方々の帰還と町の再興を願わずにはいられませんでした。

遠くに阿武隈の山々が見えました。その山容は穏やかで、ふるさとの復興を優しく見守っているように感じました。

文・写真 今泉 文彦

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