土地の評価
国で定められた固定資産の評価のもとになるもの(固定資産評価基準)によって、実際の売買が行われている値段(売買実例価格)を参考にして、計算した正常売買価格を基本として地目別に評価します。
また、その評価については3年に1度見直しをかける評価替えを行います。
地目とは
土地の利用状況にあわせて区分された名称で、通常は不動産の登記簿上にのっている名称と同じになります。
固定資産税の場合は、その年の1月1日現在の利用状況(現況)で判断しますので、登記簿上の地目と一致しないことがあります。なお、現況が変わった場合には、税務課までご連絡ください。
地目の種類 | 宅地、田、畑、山林、雑種地、原野、牧場、鉱泉地があります。 |
地積 | 土地の面積のことです。基本的には登記簿に登記されている面積になります。 |
評価の方法
地目の種類により定められた評価の方法で決定します。
宅地の評価方法
宅地の評価の方法は、通常、市街地宅地評価法(路線価方式)とその他の宅地評価法(標準批準方式)の2つに分かれます。
市街地宅地評価法(路線価方式)
市街地宅地評価法とは「路線価方式」といい、主として市街地的形態を形成する地域に適用される宅地の評価方法です。街路(路線)ごとに、その街路に沿設する標準的な宅地の1平方メートル当たりの適正な時価に基づく価格(路線価)を付設します。
その他の宅地評価法(標準地比準方式)
主に村落地区において、宅地の沿接する道路の状況、家屋の疎密度その他総合的に、概ね利用状況が類似している地区(状況類似地区)ごとに標準地を定め、1平方メートル当たりの価格を付設しその価格に各筆の面積を乗じて価格を求めます。
宅地の税負担を調整する措置
平成8年までは土地によりこの負担水準のばらつきの幅があったため、全国的に平成9年度評価替え以降についてはこのばらつきを減らし平均化していくこととなりました。
みなさんの負担を急激に増やすのを避けるために、前年の課税標準額がその年の評価額のどれくらいのパーセンテージまで達しているかによって計算する判断をします。これを負担水準といいます。簡単な計算式でしめすと次のとおりです。
負担水準=前年度課税標準額÷今年度の評価額(価格)
住まいが建っている土地の負担の軽減について
住まい(居住用住宅)が建っている土地(住宅用地といいます)は、宅地の中でも生活上優先されるため、税金に関しても負担を減らす特別な軽減措置がとられております。(税金をかけるための課税標準額を軽減します。)
この措置は面積の広さによって小規模住宅用地と一般住宅用地に分かれます。
小規模住宅用地 | 住宅1戸あたり200平方メートルまで | 価格(評価額)の6分の1 |
一般住宅用地 | 200平方メートルを超え住宅の床面積の10倍まで | 価格(評価額)の3分の1 |
なお、住宅用地にあてはまる住まいには2つの種類があります。
専用住宅 | 人が住むことだけを目的としている住宅 |
併用住宅 | 人が住む以外に店舗や事務所、倉庫などが1つになっている住宅 |
併用住宅の場合は居住部分の割合で特例の対象となる面積が変わりますので次の表の住宅用地の率をかけてください。
家屋 | 居住部分の割合 | 住宅用地の率 | |
1 | 専用住宅 | 全部 | 1 |
2 | 併用住宅(3以外) | 4分の1以上2分の1未満 | 0.5 |
2分の1以上 | 1 | ||
3 | 地上5階以上の耐火建築物である併用住宅 | 4分の1以上2分の1未満 | 0.5 |
2分の1以上4分の3未満 | 0.75 | ||
4分の3以上 | 1 |
宅地の税額の計算方法
税額の計算方法は、課税標準額に税率1.4パーセントをかければいいのですが、宅地に関しては負担水準を考えると、計算する方法が状況により変化します。また、一般の宅地(商業地等)と住宅用地とで計算方法が異なります。
実際の課税標準額の計算の仕方は次のとおりになります。
商業地等の宅地
今年度の課税標準額 | |
イ | 今年度の価格×70%<前年度の課税標準額 ↓ 今年度の価格×70% |
ロ | 今年度の価格×60%≦前年度の課税標準額≦今年度の価格×70% ↓ 前年度の課税標準額と同額 |
ハ | 今年度の価格×60%>前年度の課税標準額 ↓ 前年度の課税標準額+(今年度の価格×5%) |
注 | ただしハで計算した額が今年度の価格の60%を超える場合 ↓ 今年度の価格×60% ただしハで計算した額が今年度の価格の20%を下回る場合 ↓ 今年度の価格×20% |
住宅用地の宅地
今年度の課税標準額(小規模住宅用地の場合) | |
イ |
今年度の価格×1/6
|
ロ |
イで計算した額が、前年度課税標準額+今年度の価格×1/6×5%を超える場合 |
ただしロで計算した額が今年度の価格×1/6×20%を下回る場合 |
今年度の課税標準額(一般住宅用地の場合) | |
イ |
今年度の価格×1/3
|
ロ |
イで計算した額が、前年度課税標準額+今年度の価格×1/3×5%を超える場合 |
注 |
ただしロで計算した額が今年度の価格×1/3×20%を下回る場合 |
※宅地の評価は平成6年度の評価替えから地価公示価格(国土交通省が全国の標準地の正常な価格を調査して公表する価格)の7割を目途に適正化を図っています。
(注)住宅用地の据置特例は平成26年度から廃止されました。
農地の評価方法
基本的には状況が似ている地域ごとに標準的な土地の価格(売買実例価格などを参考)を決めて、それに比較考慮して評価を行います。ただし、市街化区域農地(注1)や農地の転用許可を受けた農地(注2)などについては付近の宅地などの評価額を参考にし評価します。
(注1)市街化区域農地とは
都市計画法にもとづく市街化区域内にあり、おおむね10年以内に市街化することが見込まれ、さらに届出を出すだけで自由に宅地に転用することができる農地
(注2)農地の転用許可を受けた農地とは
(農業委員会等から)農地法の許可を受け農地以外の目的の土地に転用することが決定している農地
その他の土地の評価方法
農地と同じように状況が似ている地域ごとに標準的な土地の価格(売買実例価格などを参考)を決めて、それに比較考慮して評価を行います。