佐久の大杉に近いぶどう棚の奥に,茅葺きの主屋が望める。ぶどう棚をくぐって屋敷内に入ると,主屋の右手前には車庫,蔵,コエゴヤ,納屋などの付属小屋が建ち,主屋から前庭に面して書院と蔵,さらに奥に隠居が配置されている。出桁で深く出された軒を持つ大きな茅葺き屋根は,トオシモノ4本の軒付け,竹簀巻きのぐしには,シュロでちょんまげ,あるいは大名ぐしと呼ばれる装飾が施され,西には,たこどめと呼ばれるキリトビに寿の文字,東側には竹の小口によって松竹梅の見事な装飾が施されている。
主屋は,平成17年度に国の登録文化財となり,農業を基盤とした地域色のある景観の中に,歴史ある屋敷構えを見せ続ける茅葺き民家である。
場所 | 佐久258番地 |