景観重要建造物とは、景観法に基づき地域の景観上重要な建造物を市長が指定し、地域の個性ある景観づくりの核として、その維持、保全及び継承を図るものです。
当市では、次のとおり景観重要建造物を指定しました。
景観重要建造物一覧
大場家住宅主屋
指定番号
第1号
指定年月日
平成30年12月26日
所在地
石岡市佐久258番地
外観の特徴
主屋は間口8間、奥行4.5間の整形四間取りで、改造も少なく幕末から明治前半期の民家のかたちを今に伝えている。出し桁で深く出された軒を持つ大きな茅葺き屋根は、トオシモノ4本の軒付け、竹簀巻のぐしには、シュロでちょんまげあるいは大名ぐしと呼ばれる装飾が施され、西側にはたこどめと呼ばれるキリトビに寿の文字、東側は竹の小口によって松竹梅の見事な装飾が施されている。
三輪晃士邸
指定番号
第2号
指定年月日
平成30年12月26日
所在地
石岡市鯨岡816番地1
外観の特徴
茅葺きの主屋は、間口9.5間、奥行き5.5間の食い違いの六間取りであり、茅葺き屋根や室内の意匠が美しく維持されている建物である。茅葺きは軒付けの2段目と4段目に古茅と新茅を交互にした市松模様が施されており、竹簀巻きのぐしに、西側には屋号と水、東側には龍の文字のキリトビが見られる。
坂入家住宅主屋
指定番号
第3号
指定年月日
令和2年3月26日
所在地
石岡市辻179番地
外観の特徴
本建造物は間口11間半、奥行き5間の全体に茅葺屋根がかかる雄大な屋根景観を今日まで伝え、書院座敷に面して池を持つ庭園が整備され、三方に緑を巡らせたこの地域の民家の完成形を備えており、この地域の大規模な農家の間取りと屋根景観の特徴をよく伝える民家である。
保科邸長屋門
指定番号
第4号
指定年月日
令和2年3月26日
所在地
石岡市中戸866番地
外観の特徴
本建造物は梁行2間半、桁行10間で寄棟・茅葺きの大規模な長屋門で、明治期に当地で流行した長屋門として代表的な建造物であり、保存状態も良い。
景観重要建造物として相応しい建築であると判断される。
岡本家住宅
指定番号
第5号
指定年月日
令和3年1月29日
所在地
石岡市大増1847番地
外観の特徴
主屋は改造も少なく、昔のかたちを今に残し、イグネに囲まれた茅葺き屋根の貴重な景観となっている。主屋の軸組には梁を柱頭に直接のせてその上に桁を置く折置組がみられ、古いつくりであることがうかがえる。内部には、ウマゴヤのある土間が土間たたきのまま残っており、昔の姿を今に伝える貴重な茅葺きの主屋である。
平松理容店店舗兼住宅
指定番号
第6号
指定年月日
令和3年1月29日
所在地
石岡市府中二丁目7番20号
外観の特徴
この建物は小規模であるが、増改築・模様替えが殆ど無く、当初のままの姿がよく残されており、維持管理も良く、したがって、保存状態も大変良い。また、大火以前に建てられたものであり、中町通りの正面洋風意匠店舗に先駆けて建てられており、大変貴重なものである。
鴻巣邸長屋門
指定番号
第7号
指定年月日
令和3年7月16日
所在地
石岡市小野越176番地
外観の特徴
長屋門は桁行5間半、梁間2間の規模で、寄棟・茅葺きの屋根がかかる。建物は中央2間を開放し両脇に鏡柱がたつが、柱と壁との距離はそれぞれ異なり、左右対称ではない。半柱を付柱として外観に密に柱形を見せる意匠としている。
鴻巣邸長屋門は小野越の集落にあって、現在でも伝統的な茅葺きの長屋門の外観を見せる貴重な建造物である。
八郷・かや屋根みんなの家
指定番号
第8号
指定年月日
令和3年7月16日
所在地
石岡市小見972番地
外観の特徴
間口9間、奥行き5間の茅葺き屋根の主屋は約80年前に移築再生され、養蚕を中心として使われてきた。
茅葺き屋根のぐしは竹簀巻きで、キリトビには寿の文字と文字を囲むように竹串を水玉状に配置し、しゅろ縄でからくったカラクリトミと呼ばれる装飾が施されている。
木﨑邸
指定番号
第9号
指定年月日
令和4年3月30日
所在地
石岡市上青柳78番地
外観の特徴
美しい農村景観を持つ上青柳の集落にのこされた、稀少な茅葺き屋根を持つ主屋の建物であり、同じく茅葺きのコクゾウサマや瓦葺の表門などとともに歴史的風致を形成している。景観重要建造物として指定するのが妥当であると考えられる。
岡野邸長屋門
指定番号
第10号
指定年月日
令和4年11月17日
所在地
石岡市吉生39
外観の特徴
本吉生の丘の斜面に位置し、岡野隆行邸と二つ並ぶ茅葺きの長屋門は、いっそう広がりのある茅葺きの風景をかたちづくっている。
長屋門としては、明治初期の建築で下から見上げた出し桁屋根の構造は、茅葺き屋根の大きさをいっそう際だたせている。片方に板倉を抱える構造として、他に例がなく貴重である。間口10間、奥行3間の大きな茅葺きの長屋門を入ると、正面に主屋、その左手に書院が配置され、右手には、井戸小屋、木小屋などが配置されている。
新田家住宅主屋
指定番号
第11号
指定年月日
令和4年11月17日
所在地
石岡市真家757
外観の特徴
主屋の建設年代を示す史料は得られなかったが、建築の特徴から幕末頃の建物かと推測される。
主屋は平家で、梁間4間半・桁行10間の規模を有する茅葺き寄棟の建物である。石岡市内でも数少なくなった現存する茅葺きの民家の一つであり、敷地内の付属屋も各種が残されていることとあわせて貴重であり、景観重要建造物への指定が妥当と考えられる。
川島家住宅
指定番号
第12号
指定年月日
令和5年3月31日
所在地
石岡市東田中678
外観の特徴
高野浜城址のすぐ東、山王川の河口付近に広がる水田の北側と、石岡台地との境の入組んだ集落の奥にこの民家は位置する。
屋敷の構成は東側の台地を背後に主屋を配し、前面である西側には隠居屋、作業小屋を並べ、主屋の背後には氏神様の祠、
木小屋がある。以前は主屋の南側に厩が建てられていた。
主屋は間口8間半、桁行5間の五間取りで、囲炉裏のあるチャノマが土間側に 張り出した形で、よく保存されている。屋根は
5本のトオシモノが施され、煙出しのある棟は以前竹簀巻きだったが、現在はトタンで覆われている。
鎌田義忠邸
指定番号
第13号
指定年月日
令和6年3月29日
所在地
石岡市柿岡2031番地2
外観の特徴
主屋は柿岡のメインストリートに接道する町家で、L字型の棟を有する茅葺きの建物である。明治時代に入ってからの建築で、築後100年以上を経ているという。
現状の間取りは、通り沿いの店舗部分(オミセ)と八畳のザシキ、及びチョウリバ・ソバウチバからなるが、激しい改造を経ている。
正面にはせがいを出し、茅葺きの下屋がその下にとりつく。また、正面には小規模な千鳥破風は付されており、外観のアクセントになっている。
現在でも整った外観が保たれている。
谷中邸長屋門
指定番号
第14号
指定年月日
令和6年3月29日
所在地
石岡市北根本526番地
外見の特徴
谷中家は江戸時代に名手をつとめ、名字帯刀を許された家である。
その屋敷は背後(北側)に舟塚山古墳を背負い、前方(南側)に田園の広がる北根本の列状集落に位置する。屋敷の南側の前面道路に接して建つのがこの長屋門であり、寄棟で茅葺きの屋根を持つ。前面道路の反対側には恋瀬川流域の広大な水田が広がっている。
北根本の田園景観の中に、伝統的な茅葺きの外観をみせる長屋門であり、石岡市の景観を特徴づける建物として貴重な存在である。