施政方針(令和6年 第2回石岡市議会定例会)

令和6年第2回石岡市議会定例会の開会にあたり、市政運営の所信の一端を申し述べまして、議員の皆様並びに市民の皆様のご理解とご賛同を賜りたく、お願い申し上げるものでございます。
令和6年4月21日に執行されました石岡市長選挙におきまして、市民の皆様の大きなご支持をいただき、2期目の重責を担わせていただくこととなりました。
市政を継続して担っていく意義や責任の重大さ、使命感に身の引き締まる思いでございます。皆様から寄せられた大きな期待をしっかりと受け止め、「不撓不屈の精神」で市政運営にあたってまいります。
引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。

はじめに

本市は茨城県のほぼ中央、東京から約70キロメートル圏内に位置し、品川、東京駅まで直結しているJR常磐線や常磐自動車道、茨城空港など交通アクセスに恵まれています。
また、常陸国の国府が置かれた古代からの連綿たる歴史のほか、万葉集にも歌われた筑波山や恋瀬川、霞ヶ浦などを有しておりロマン駆り立てられるまちです。
さらに、石岡のおまつりの舞台ともなる市街地にはレトロな看板建築が軒を連ねており、豊穣な里山で育まれる果物や野菜、豊かな水を使った酒造りなどたくさんの魅力があり、市民をはじめ多くの方々に愛されるまちであります。
これらを継承し、今後も魅力ある人間性豊かなまちであるために「まちの魅力」を高め、次の世代に伝えてまいります。

1期4年間を振り返りますと、新型コロナウイルスから市民の命と健康、地域経済を守ることを最優先に考え、市民の皆様のご理解ご協力のもと、全力で走り続けてきた4年間でありました。
また、コロナ禍においても石岡市総合計画の将来像である「誰もが輝く未来へ 共に創る石岡市」の実現に向け、様々な施策を展開してきたところです。
その施策の中には、継続して進めていかなくてはならない施策もございます。これからの4年間でその施策を継続して進めることで、市政の前進があると確信しております。
これまで蒔いた様々な施策の種を次の4年間で花を咲かせ、本市に必要な施策の実となるよう、より魅力あるまちに育てていきたいと考えております。
次に、まちづくりの基本方針は「共生・共育・共働のまちづくり」を継続して進めてまいります。
「共生」は、共に生きるということで、「だれ一人取り残さない」まちづくりを目指すことです。
「共育」は、共に育つということで、地域の様々な教育力を活かしていくとともに小さな芽を見つけ育てるまちづくりを目指すことです。
「共働」は、共に働くということで、行政だけでなく様々な主体が力を合わせながらまちづくりを行うものです。
この3つを基本方針として、市の将来像実現のため、石岡市総合計画第2期基本計画に基づき、様々な施策を実行し、本市の10年、20年先の「夢のある未来」へ繋げていくため、責任をもって市政運営のかじ取りを担っていく所存でございます。

市を取り巻く現状
市を取り巻く環境は、少子高齢化による人口減少や物価高騰等の経済環境、自然災害の激甚化、頻発化など複合的な要因により刻々と変化しており、様々な課題に的確に対応していく必要があります。
わが国は、かつて経験したことのない人口減少社会を迎えております。
国の総人口は、令和5年10月1日現在、1億2,435万2,000人となり、1年前から約59万5千人が減少し、東京都以外は13年連続で人口減少が続いております。
また、75歳以上の人口が初めて2,000万人を超え、15歳未満の割合は全都道府県で低下するなど少子高齢化が進んでいる状況にあります。
このような中、国ではこども家庭庁を設立し「こどもまんなか社会」の実現に向けた異次元の子育て対策やデジタル田園都市国家構想を掲げ地方創生を推進していくとしております。
県内の人口に目を向けますと、令和6年4月1日現在、281万2,901人となり、1年前から15,947人が減少し、令和32年(2050年)の将来推計人口では、TX沿線のつくば市、つくばみらい市、守谷市の3市以外は人口減少が進んでいくと推計されております。
県では、戦略的な企業誘致や観光の新たな魅力と価値の創出、外国人材の確保、マル福制度の拡充などを促進し、人口減少を乗り越えていくとしております。
本市におきましては、令和6年4月1日現在の常住人口が6万9,682人となり、1年前から984人減少している状況です。主な要因として、自然動態では、出生数の減による少子高齢化による影響が本市においても見られます。社会動態では、進学、就職等による20代の転出超過が続いている状況にあります。
このような中、人口戦略会議が令和6年地方自治体「持続可能性」分析を10年ぶりに行い、今年4月に分析レポートが公表されました。本市においては、消滅可能性自治体から外れたものの、継続した人口減少対策が必要な状況であります。
本市の人口減少対策としては、子育て世代や若者が本市で暮らし子育てができるよう様々な施策を展開し、魅力あるまちを作り上げることで、若者や子育て世代の転出抑制や出生率の向上による人口減少幅の圧縮を図る施策と、移住者やUターン者など転入者を増やすため、産業用地の確保や企業誘致等による働く場を確保し移住定住を促す施策の2本柱で、本市の人口ビジョンで示した令和42年(2060年)に6万人の人口維持を目指し取り組んでまいります。
政策展開について

選挙時にお示しした8つの公約を中心に政策展開を図り「誰もが輝くキラリ子育てのまち石岡」を目指すとともに、今年3月にお示しした「市政運営に関する所信と施策概要」においてご説明しました総合計画第2期基本計画の各施策を迅速かつ効果的に取り組み、市政を着実に前に進めてまいります。

1点目としては、「市民の安全安心」に向けた施策の継続でございます。
自助・共助の強化に向けた防災訓練の実施や自主防災組織の支援など災害リスクに備えた防災体制の充実を図り、今後も激甚化、頻発化する災害から市民の命と財産を守る体制強化と地域防災力の向上に取り組んでまいります。
また、安心して住み続けられる環境整備としまして、買い物支援やグリーンスローモビリティなど移動制約者に対する支援やデジタル化に伴うデジタルデバイド対策を推進するとともに、増加傾向にある空き家の適切な管理や利活用を図り、誰もが安心して住み続けられるまちづくりを進めてまいります。

2点目としては、「教育・子育て環境の充実」の継続でございます。
有機食材を含め地元産の農産物を使用したおいしい給食の提供及び学校環境の充実を図るため施設の改修、多文化交流など、子ども目線で教育環境の向上を図ってまいります。
また、小中学校の給食費無償化を継続して取り組むとともに、特別支援と不登校支援を一体的に行う教育支援センターの設置を進めてまいります。
さらに、結婚から妊娠、出産、子育てのライフステージに合わせた切れ目ない子育て支援の充実を図ることで、誰もがキラリと輝く魅力ある子育てのまち石岡を目指し取り組んでまいります。
加えて、八郷地区小学校の統合再編の推進と、閉校となった4つの小学校跡地の有効活用を迅速に進めてまいります。
3点目としては「持続可能な農業支援」の継続でございます。
本市の有機農産物出荷額は県内1位となり、全国的にも上位に位置する生産地であります。地域ぐるみで有機農産物の生産から消費まで行う「オーガニックビレッジ」を目指してまいります。
また、農産物のブランド化や6次産業化、銘柄産地への支援等に継続して取り組んでまいります。
さらに、移住定住につながり地域農業の担い手となる新規就農者支援を継続して推進してまいります。

4点目としては、「特色ある観光づくり」の継続でございます。
インバウンド需要の拡大に向けた台湾台中市石岡区との交流促進や市内外の多くの参加者が市内を走り抜けるつくばねハーフマラソン大会など本市の特色ある事業を継続して推進してまいります。
また、新たに法人化いたしました一般社団法人石岡市観光協会と連携しまして、石岡のおまつりなど地域文化を活用した観光や市内の自然環境を活かしたトレイルランやスカイスポーツ、サイクリング等のスポーツ観光、さらに、年間を通したいばらきフラワーパークや果物狩りなどの体験観光により、関係・交流人口を増やす取組を行い、本市独自の観光資源を最大限に活用した観光地域づくり、稼げる観光をつくってまいります。

5点目としては、「経済の活性化」の継続でございます。
企業誘致に向けまして、産業用地を確保する取組を進めるとともに、地元企業の育成を図り、雇用の場を創ってまいります。
また、生産人口の確保に向け、地元企業への就業と採用ニーズのマッチング支援にも取り組んでまいります。
さらに、地域経済の活性化や都市の魅力発信を目的に、石岡セレクト認証商品による消費促進、創業や新たな産業育成を図るため創業希望者への支援を継続してまいります。
加えて、石岡駅は特急も停まる駅でございます。駅前をしっかりとまちの顔として整備してまいります。昨年度、防災備蓄倉庫などを配置し完成した石岡駅西口あんしんステーションや東口の防災公園を併設した石岡スケートボードパークが今年度完成いたします。石岡駅の周辺整備を継続して行うことで、市民の安全安心や利便性の向上を図り、まちの魅力に繋げてまいります。

6点目としては、「医療・介護・福祉の充実」の継続でございます。
地域医療に関しましては、これまで休止しておりました緊急診療が今年7月から再開見込みとなるなど、医療の安全安心に向けた体制強化のほか、産科設置が残された課題でございますので、かすみがうら市、小美玉市と連携して取り組んでまいります。
また、現在老朽化しております石岡保健センターと八郷保健センターを統合いたしまして、子どもから高齢者まで様々な世代が利用し、市民の健康増進やフレイル等を予防し健康寿命を伸ばす取り組みができる、(仮称)総合保健センターの整備を継続して推進してまいります。
さらに、公共施設のバリアフリー化や多目的トイレ設置などは、障がいのある方、あるいは高齢の方など誰もが利用しやすい施設として必要な設備であると考えております。利用される方の利便性を高め、インクルーシブなまちづくりを進めてまいります。
 
7点目としては、「歴史・文化・芸術・スポーツを活かしたまちづくり」でございます。
本市は、県内唯一「歴史の里」として指定されており歴史・文化のまちでございます。本市の特色を活かし、これまで以上に人間性豊かなまちとなるように、歴史遺産やジオパーク等について多角的な視点で地域振興に繋げてまいります。
また、本市の文化・芸術活動の拠点であった市民会館が閉鎖し、中央公民館ホールも老朽化が進んでいる状況にあります。
本市の特色ある文化・芸術活動に必要な拠点整備を推進し、市民が文化・芸術に広く親しみ、創る人と観る人が交流し話し合うことで、創造性豊かな地域文化の向上を図ってまいります。
さらに、子どもたちのスポーツ活動や年齢・体力にかかわらず誰もが楽しめるニュースポーツなど、様々なスポーツを通じた健康づくりを継続して推進するとともに、誰もが親しみやすいスポーツ環境の整備を図ることで、市民の健康増進と活力ある生涯現役のまちを目指してまいります。
加えて、住民参加の対話によるまちづくりとして、「市長と語ろう会」や「石岡未来会議」などを活用するとともに、市長自らその地域に出向くような対話の場を拡充してまいります。

8点目としては、「まちの魅力向上」でございます。
石岡市地球温暖化対策実行計画に基づき、ゼロカーボンシティに向けた施策を展開し、令和32年(2050年)のカーボンニュートラルを目指し取り組んでまいります。
また、市の特徴を活かした石岡らしい統一的な公共サインを整備するため、ガイドラインを策定し、市の魅力や認知度アップに取り組んでまいります。
さらに、令和7年度「上曽トンネル」が開通予定となっております。本市にとって大きなチャンスでありますので、県南と県西地区間のネットワーク強化による広域的な地域活性化を目指してまいります。
加えて、複合文化施設については、2月1日に複合文化施設整備審議会から中間答申を受け、ホール機能を中心とした施設を鹿島鉄道跡地又は市営駅東駐車場へ整備し、イベント広場については、老朽化している図書館やふるさと歴史館等の公共施設と民間企業から要望のある商業施設を加えた活用を進めていきたいと考えております。
この二つの拠点を整備することで、街中の回遊性を生み、まちの顔である石岡駅と中心市街地の賑わい創出が出来るまちづくりを進めてまいります。
旧市民会館は、文化芸術活動をはじめ、石岡地域で担ってきた様々な会議や集会等の開催できる施設として役割を果たしてきました。石岡駅周辺に市内外から人を呼べる魅力的な施設を整備することにより、JR常磐線や茨城空港を利用する方々が本市を認知し、魅力に触れてていただくことで、石岡駅周辺から本市の魅力向上を図り、交流・関係人口を創出し、移住定住に繋げてまいりたいと考えております。
論点を整理し、ポイントを明確にしたうえで、議論を重ねてまいります。

この度お示しした政策は、本市の喫緊の課題である「人口減少対策」に寄与する事業でもあると考えております。
まずは、今年3月にお示ししたリーディングプロジェクトの人口減少対策プロジェクトに基づき、出生率向上と移住推進の2本柱で各種施策を展開し、人口減少幅の圧縮に努め、人口減少対策に必要な施策を着実に前に進めてまいります。
また、以上の政策展開のほか、チャレンジする市役所として、健全な財政運営の下、効率的な行政経営を行い、より良い市民サービスを提供するとともに、多様化するニーズに対応するためスキルアップや法令順守など職員の育成を図ってまいります。
さらに、県内外の自治体との広域連携を図り、効率的な行政サービスの提供や地域振興を推進してまいります。
市民から信頼される市役所の実現とハラスメントを撲滅し、風通しの良い職場づくりを継続して取り組み、BPR手法による事務の効率化や行政のデジタル化を推進し、いつでも、どこでも、誰でも受けられる行政サービスの向上をこれまで以上に図ってまいります。 

おわりに

市政運営を担う責任者として、いま石岡にお住いの市民の皆様の生活はもとより、将来の石岡市民の暮らしを思い描きながら、この豊かな自然と歴史・文化を誇る石岡をさらに発展させ、未来に引き継いでまいりたいと考えております。早急に進めなければならない人口減少対策はもとより、中長期的な課題にも真摯に向き合い、将来を見据えた「持続可能なまちづくり」に向け、先頭に立って取り組んでまいります。

また、魅力あるまちづくりを進めていくため、複合文化施設や総合保健センター整備、学習環境の充実に向けた小中学校のあり方、企業誘致に向けた産業用地の整備など、大きなプロジェクトを継続して取り組んでいく必要があります。
これらの各種事業を進めていくために、DX(デジタルトランスフォーメーション)、GX(グリーントランスフォーメーション)、さらに地域に根付く文化芸術の視点を加え、様々な課題を解決していくとともに、将来的には地域において食やエネルギーの地産地消や介護、福祉の担い手を確保するなど、自立し持続可能なまちづくりを進めていかなくてはならないと考えております。
かつてないスピードで変化を続ける社会環境にも柔軟に対応するとともに、各施策に真摯に向き合い、徹底した行財政改革を推進することで、持続可能で良質な市民サービスを提供できるよう努めてまいります。
そして、この石岡に暮らすすべての人が安心して未来に希望をもって生きることができるよう「すべての市民が幸せを感じられる社会、特に子どもたちが石岡市に誇りをもって自らの未来に夢を描ける社会」の実現に向け、全力を注いでまいります。
誰もがあらゆるライフステージで、輝く未来を創り上げることができる持続可能な石岡市を継続して創ってまいります。市民の皆様と共にまちの魅力をより高め、あらゆる世代に選ばれ、住み続けられるまちにしていく決意です。

議員の皆様並びに市民の皆様のご支援ご協力をお願い申し上げ、市政運営に関する所信といたします。

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  • 【更新日】2024年6月4日
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