空家問題~はじめに~
近年、全国的な人口減少を含め、居住環境、家庭構造、ライフスタイル等の変化に伴い、空家が年々増加し大きな社会問題となっています。
特に、適切な管理がされていない空家については、市民の良好な生活に深刻な影響を及ぼすことがあり、早急な対応が必要です。
そのような状況を背景として、平成26年11月に「空家等対策の推進に関する特別措置法」が公布され、平成27年5月に完全施行されて、石岡市でも本格的に空家対策の取り組みが始まりました。
空家の管理責任
空家の管理を怠ってしまうことで、近隣の方に迷惑がかかることがあります。
その場合、所有者の方の他に、相続人の方や相続放棄をしている方であっても責任を問われることがあります。
特に相続放棄したからと安心する方も多いと思いますが、次の相続人が現れるまでは管理責任がなくなるわけではないので注意が必要です。
●民法940条 相続の放棄をした者は、その相続によって相続人になった者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない。 |
場合によっては・・・
庭に草木が繁茂して害虫が発生してしまったり、お隣りの家に枝が侵入してしまったりすると近隣トラブルを招いてしまうこともあります。
そういった近隣トラブルから裁判になることも・・・
最悪の場合、家屋や外壁が倒壊してしまい怪我を負わてしまったり、お隣りの家を損壊させてしまえば、損害賠償の対象になってしまうこともあります。
●民法717条 1.土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。 |
占有者(実際に家屋・土地を使用等している方)には「必要な注意」をすることで免責がありますが、所有者については免責がありませんので定期的な管理の他に、状況に応じて解体・修繕等が必要となる場合があります。
特定空家等の認定
適切な管理がなされないまま、空家が老朽化したり樹木の繁茂等がひどくなってしまい危険な空き家と見なされてしまったら・・・・
特定空家等に認定されてしまう可能性があります。
特定空家等に認定されてしまうと、「空家等対策の推進に関する特別措置法」に基づいた、助言又は指導を受けることになります。
それでも、状況が改善されず勧告を受けてしまうと住宅用地の固定資産税の特例がなくなり土地の固定資産税が最大で6倍になってしまうことになることもあります。
最終的に、命令を受けてしまいそれでも改善されない場合・・・
・50万円以下の過料
・行政代執行等の強制的な撤去がなされ、その費用の請求
がなされる場合があります。
空家の管理を定期的にすることで、このような事態を防ぐことができますので、定期的な管理をすることがとても大切です。
空家を適切に管理するためには?
●定期的に雑草の除草や庭木の枝払いを行ってください。
・夏は雑草や枝が急激に繁茂します。繁茂した雑草が害虫の発生に繋がります。
・秋から冬は枯れた雑草や枝が火災の原因になることがあります。
●建築物の破損箇所を修理してください。
・屋根や軒裏、外壁等の破損箇所は飛散することがあります。
・窓ガラスやドアの破損は不審者が侵入する原因となることがあります。
空家管理に関するパンフレットを窓口で配布しています。
市では,空家の所有者や相続人等の方に向けたパンフレットを窓口で配布しております。
ぜひご覧ください。
パンフレット表紙