1月10日(日)
成人式と若者の勇気
市民会館前の広場には、大勢の若者たちが弾んだ声で談笑していました。
平成28年の成人式該当者は813名で、合併時に比べるとほぼ100名減っています。
少子化の流れを漫然と捉えていると、地域の活力は失われてしまいます。石岡市が活気と魅力のあるまちとして輝いていくためにも、この若者たちの未来を切り開き、教育に力を注ぎ、子育て支援や出会いの場の創出などを積極的に行う必要があります。少子化対策は、待った無しです。
会場の大ホールはほぼ満席で、若いエネルギーが会場にあふれ返って、暗い客席が逆にまぶしく感じるほどでした。
私は、式辞で次のようなメッセージを贈りました。
「どんなときでも自分の夢を忘れないでほしいと思います。夢を実現させている人たちは、決してあきらめません。不可能に立ち向かう、強い精神力が夢の実現につながっています。これは、プロ野球のイチロー選手の言葉です。『小さいことを重ねることが、とんでもないところへ行くただひとつの道』基本の積み重ねが、最高の選手となる唯一の道です。夢の実現には、社会人としての基本をしっかりと身につけることです」
▲壇上を見つめる姿が夢と希望に満ち溢れています
来賓のあいさつの後、4人の新成人が意見発表を行いました。稲田雪乃さんは笑顔で大人になった喜びを語り、中島和輝さんは両親に感謝を述べました。諏佐七海さんは自覚と責任の重さを感じている心境を、高橋優花さんは成人式を楽しみにしていたことを、若者らしい率直な言葉で発表しました。
最後に、宮城卓也さんと谷萩美都さんの謝辞があり、閉会の言葉との間に心を動かされた出来事がありました。
それは、羽織袴姿の男性が、司会者の許可を得て壇上へ上がって言った一言です。
私や教育委員長、教育長、来賓にしっかりとお辞儀をして、その後こう言いました。
「自分たちが20歳を迎えられたことを当たり前と思わずに、感謝の気持ちと前向きな思いをもって、生きていこう」
そして、遺影を持った友人が横に立ち、全員で黙祷を捧げました。
会場は素晴らしい一体感に包まれました。私はその男性の勇気とその言葉に呼応した新成人の姿に感動しました。
そう、石岡の未来は可能性に満ちているし、子供たちのために私たち大人は大計をもって明日の土台づくりを進めていく責務があると、改めて痛感した成人式でした。
文・写真 今泉 文彦