5月10日(水)
りんりんタウンと自転車ライフ
小学生のとき、自分専用の自転車を手に入れてから行動範囲がぐんと広がりました。恋瀬川上流まで遠征したり、舟塚山古墳や羽鳥駅、 母の実家の美野里町へ行くなど、遠くても自転車があれば自由に探険ができました。ジャリ道だらけで、農耕用の牛馬がいたり、リヤカー、大八車なども道路を走っていました。振り返ると、のどかな時代ですが、今は過度の車依存社会で、近くのお店に行くのでさえ自動車です。その結果、生活習慣病に関する言葉が私たちの日常に氾濫しています。
そんな中、見直されているのが自転車です。環境負荷が少なく、行動範囲が広い、安価で軽量、 保管場所も小さい、健康のためにも良いと、一挙六得のメリットがあります。
八郷地区はスポーツサイクルのコースで大人気のフィールドで、土日になると大勢のサイクリストが押し寄せます。 朝、ネコのうめ吉と恒例の散歩をしていると、山道の広くなった所に一台のワンボックスカーが止まっていて、男性サイクリストが一人休んでいました。
「どちらからですか」と尋ねると、 「栃木県真岡市です。ここのコースは関東一ですよ」と思いがけない返事が返ってきました。
「関東一とは、お世辞でもうれしいですね。どこが良いのでしょうか?」
「全体的にです。20年近く通っていますけれど、こんな良いところはないです」
そんな評価に気を良くして、自転車のまちづくりを考えています。まずは石岡駅周辺に本格的なサイクルステーションの設置検討です。遠方からのサイクリストのためのシャワー付き更衣室、屋根付き駐輪場、休憩所が考えられます。 市内の幹線道路には自転車専用レーンを順次整備して、歩行者にも安全なように配慮します。中心市街地と各地を結ぶ主要道路にも自転車専用レーンを網の目のように配備し、高齢者や通学者の安全を確保することを計画します。 ハード整備に加え、自転車やヘルメットの購入補助や早期免許返納者への支援など、 総合的なサイクリングのまちづくり構想への思いを巡らしているところです。
名付けて「りんりんタウン構想」。子どもたちの安全や高齢者の健康、働く世代のレジャーなど未来の石岡を見すえたプロジェクトになるよう、多くの市民の英知を結集したいものです。
文 今泉 文彦