市長日記 ふるさとの花火(広報いしおか9月1日号)

8月5日(土)
ふるさとの花火

市長日記・広報いしおか9月1日号

朝7時に3本の電話が入り、そのうちの一つは思いがけない内容でした。
「イノシシに収穫時のカボチャやジャガイモなど野菜類が根こそぎ食べられてしまい大変な被害です。周辺でも大きな損害を受けています。早急に対応してください」小桜地区の男性で、切羽詰まった様子でした。私は、状況を把握し対策を考える旨を伝え、受話器を置きました。
午前9時には、突然の来客がありました。
「イノシシ駆除に関して、良いアイディアがあるんですが…」まるで先ほどの電話を聞いたかのようなタイミングでした。
「猟友会の皆さんが、尽力され駆除を進めていますが、それ以外にどのような方法が?」私は出発時間が迫っているので手短に切し出しました。
「私が考えているのは、食材ではなく画材なのです」
「え?」
「画材でニカワがあるでしょう。日本画で使う膠(にかわ)は高価なので、イノシシで製品化で
きないか思案中なのです」

なるほど、ニカワなら放射線量は影響なさそうです。
後日、詳細をお聴きしましょうと告げ、私はスポーツイベント「卓球教室」の会場である石岡運動公園体育館へ向かいました。メインアリーナには、大勢の小中高生と市スポーツ推進委員さんなどが、オリンピックメダリスト吉村真晴選手の登場を待っているところでした。次は、「有明フェスティバル」へ。地元の若者たちが実行委員会を結成し、旧有明中学校の跡地を有効活用しようと、工夫を凝らした手作りのイベントです。開会式で挨拶をし、石岡ふるさと大使の高田梢枝さん(日々かりめろ)の凱旋ライブコンサートが始まると、会場は次第に盛り上がってきました。さすが地元出身のミュージシャン。ふるさとを思う気持ちが歌声から伝わってきます。フィナーレでは、聴衆の多くが感動の渦の中にありました。
「これほどのイベントが地域の手によって開催されるとは、凄いですね。感心しました」と私は実行委員会代表の谷島洋司さんに言いました。
「ありがとうございます。でも、本番は夜の花火です。ぜひ見にきてください。もっと、人も集まりますから」 どれほどの賑わいなのか、どんな花火なのか、行ってみようと思いました。
市民盆踊り大会で挨拶をしたあと、私は再び有明フェスティバルの会場に足を運びました。なるほど、暗くなった会場にはたくさんの子供たちと若者、そして地元のおじいちゃんやおばあちゃんが、あちこちで談笑しています。最初の一発が上がり、上空に大玉が広がると、会場がどよめきました。そして、二発、三発、夜空に美しい花が輝きます。
「土浦や取手の花火より、ずっと良いわ」誰かが言うと、同調する声が続きました。
「あの、話を聞いて欲しいんです」一人の男性が隣に立っていました。
「どんな話でしょうか」
「イノシシの被害がひどくて、何とかして欲しいのです」
もう花火どころではありません。話を聞きながら、解決に向けて努力する旨を告げ、ひとまず会話を終えました。周囲では、花火を楽しんでいるのですが、私には花火の音がイノシシの鼻息に聞こえて仕方ありませんでした。

文・今泉 文彦

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  • 【更新日】2017年11月22日
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