1月7日(日)
未来への眼差し その1
田島地区の新年会が始まるまでの間、控えの和室で元役員さんたちとしばし談笑の時間がありました。
「うちの地区も、若い人たちが頑張ってくれるから、総会の顔ぶれが若いでしょう」そう語る元区長さんは70代半ばで、お寺の檀家の役員を務めています。
「この公民館を造ったのが20年前だから、我々が50代の時か。早いもんだね」もう一人の役員さんが感慨深げに言いました。
この日は、偶然にも、その頃に生まれた826名の新成人が大人の仲間入りをした成人式でした。少子化の波はこの数字からも読み取れ、20年前は1500人弱ですから、現在は半分弱、20年後は500人を割ってしまいます。一方で高齢化率は3割を超え、100歳以上の高齢者は66人で、県内では水戸、日立、つくばの各市についで4番目の長寿のまちとなっています。90歳以上は平成元年には約130人でしたが、現在は10倍以上の1500人、高齢者人口がピークを迎える2042年にはどこまで増えるか…。
高齢化は長生き社会の実現ですからおめでたいことですが、現実にはその質が問われます。一般的には、介護を必要としない健康な状態で生きられる年月を健康寿命と呼んでいます。茨城県民はこの健康寿命が全国でも長く、シルバーリハビリ体操などの取り組みが効果を上げてきました。
健康寿命を延ばす秘訣は、何でしょうか。一つには脚を常に使うことでしょう。そのためには、散歩を日課とし、買い物や日常の移動に自転車を活用することが有効だとされています。
「え、お年寄りに自転車は、坂道や安全面などで問題があるのでは?」
それについては最後に触れるとして、長生きの秘訣の二つ目は、地域での役割を持つことだそうで、そこから生き甲斐が生まれます。そして三つ目は、いつも笑って快食快眠です。これをわかりやすく一言で表現すると、「テクテク、ワクワク、ニコニコ、パクパク、スヤスヤ」です。
さて、自転車ですが、1年ほど前に自転車活用推進法という法律ができて、その役割が見直されました。専用コース、貸出サイクル、公共交通との連携、災害時の有効活用など総合的な施策を実施します。石岡市でも自転車で走りやすい環境を徐々に整えていくため、自転車活用推進計画の策定を検討しています。
ここで電動アシスト自転車の登場です。自転車評論家で有名な疋田智氏が「電動アシスト自転車は、ここ20年で革命的な進化を遂げた」と驚き、さらに「この先には自転車の未来がある」とまで述べています。
加えて少子化や高齢化対策のカギがあるというのです。この続きは、次号で触れたいと思います。
文 今泉文彦