市長日記 未来への眼差し その2(広報いしおか3月1日号)

2月3日

未来への眼差し その2

 

 長い車の歴史の中でも、比較的新しい発明品である自転車は、近年新しい要素が加わり革命的な進化を遂げています。それが最近の電動アシスト自転車(以下、アシスト車)です。なんだ電動自転車か、そう思う人も多いでしょう。私もそうでした。
 しかし、1月13日にアシスト車の実証実験レースで、実際に自分が乗ってみると、その圧倒的な乗り心地に、考えが変わりました。
 実証実験レースには、私を含め4人が参加し、そのうち2人は全国規模の自転車レースにも出場経験のあるアスリートで、フルカーボンの高級愛車に乗って颯爽と登場です。電動アシスト組は私と23歳の柔道ボーイくんで、それぞれ電動7段ギアのスポーツタイプと電動ママチャリに乗っての挑戦です。
 コースはフラワーパークから筑波山中腹つつじヶ丘までの約8キロ。ゴールのつつじヶ丘は標高530m、平均斜度9度という難関でこれには私も自信がありませんでした。しかし、そうも言えないので、同日の早朝、自宅から裏山の浅間山頂(345m)までアシスト車で登ってみると、これがビックリ。急坂・難所も後ろから押されるようにグングン橋っていきます。楽々頂上に着き、適度な運動に快適さを覚えるほどでした。
 アシスト車のアシスト比は平成20年に1対1から1対2に代わり、乗り心地が格段に向上しました。以前より人へのアシストがパワフルになったのです。
 午後2時30分、いよいよ茨城県フラワーパークをスタートです。ゆったりとした坂を進んでいきますが、アスリートの2人は余裕しゃくしゃくと背後に付いて来ます。
 小幡宿を過ぎ、ゆりの郷に差し掛かるあたりから、坂道は本格的になってきました。カーブが多くなり、急坂が続きます。少し呼吸が早くなったのを感じましたが、まだまだ余裕です。
 湯袋から国民宿舎つくばねへ向かうヘアピンカーブを曲がり、勢いつけて走るものの、2人のアスリートはピッタリと付いてきます。さらに加速を加え引き離そうとしても、2人は鼻唄混じりです。
 「さすが電動アシスト、この調子ならゴールまで50分を切りますね」「この先のカーブから、傾斜がきつくなりますよ」アスリートたちの声が背後から聞こえます。


 イノシシ渓谷の看板を横目に、風返しの料金所跡を抜けると、急勾配の坂道がグルグルと続き、最大の難所に差し掛かったことが分かりました。体力的にはまだまだ余裕といった感じです。
 「もうすぐですよ、この先の直線を曲がると、つつじヶ丘の駐車場、ゴールです」
 余裕あるサポートに、半分苛立ちながら、私はラストスパートしました。けれども、アスリートたちはピッタリと付いてきて、そのまま同時にゴールとなりました。
 「電動アシスト、恐るべし」「参りました」これがアスリートたちの本音でした。
 アシスト車の実証実験レースは、引き分けに終わりましたが、44分のタイムは立派な記録だそうです。特にママチャリの柔道ボーイくんは頑張ったと思います。

 今回のコースは、高級ロードレーサーでも私では完走できないであろう難易度の高いコースでした。しかし、アシスト車なら、心地良い運動をした程度に感じ、その力に正直驚きました。
 近い将来、アシスト比1対3の前輪2輪、後輪1輪の3輪アシスト自転車が出現するというアナウンスもあり「この先の未来は自転車にある」というのも大げさではないのかもしれません。
 パワーがあり安定した3輪のアシスト車なら、子どもを乗せたお母さんや脚力の弱った高齢者でも十分に使えます。災害時には、渋滞なしに避難することも可能です。ここに、少子化・高齢化対策のカギがあるのかもしれません。もちろん、自転車専用レーンなどの環境整備をしたうえでのことですが、りんりんタウンの実現に向けて、電動アシスト自転車は欠かせないツールになりそうです。


文 今泉文彦

市長日記 3月1日号

▲筑波山中腹つつじヶ丘までの坂道もアシスト車なら楽に走れました

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  • 【更新日】2018年4月16日
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