4月9日
今年は、桜の開花が早くあっという間に散ってしまった感があります。その分、山々には、若々しい新緑が広がり、早々と山の笑顔に出会いました。
ある晩のことでした。経済部長から緊急の報告が入りました。
「ゆりの郷でレジオネラ菌が発生したと、先ほど管理会社から連絡がありました。ゆりの郷で入浴した高齢の男性1名が体調不良で入院したという連絡をもとに保健所が立ち入り検査を行い、菌の発生が判明したのですが、基準値を超えるかどうかはもう1日待つ必要があります」
「即刻、施設は一時閉鎖するように」
菌がいる以上、被害拡大を防ぐのが先決と判断し指示しました。
翌日、保健所から来た数値は基準値を若干上回るもので、すぐに議会や報道関係に報告をして、ホームページで施設一時閉館のお知らせをしました。
市民の皆さまには、ご心配とご不便をかけて、大変申し訳なく思っています。
現時点では、これ以上の被害報告はなく、また体調不良に陥られた方と施設の因果関係も不明ですが、施設の安全が確認されるまで自主的に閉鎖します。
市民を守る行動原理として、私は次の三つを心構えとしています。
・疑わしいときは行動する
・最悪の事態を想定する
・空振りはOK、見逃しはNG
いつ何が起きるかわからない昨今です。そのことを痛感しているのは私ばかりではないでしょう。東日本大地震を経験した私たちは、有り得ない危機も起こることを知りました。
市長室の窓からは建設中の新庁舎が見え、その上に4月の夕空が広がっていました。
文・今泉文彦