市長日記 医は仁術なり(広報いしおか11月1日号)

10月1日


  医は仁術なり

 若手職員による庁内横断的な組織「安心医療サービス検討チーム」の報告会を聞きました。11人の男女メンバーが、今後の医師不足について集中的に議論した内容です。
 SNSを使った子どもの医療相談システムや119番産急車、医師の寄付講座など見事な提案があり、それらに対し私は「短時間でよくまとめた」旨の寸評を加えました。
 検討チームが、石岡の地域医療の緊急性を感じとり、政策アドバイザー・草間吉夫さんの指導のもと仕事の合間を縫ってこの提言をまとめたことは「立派」の一言です。

 

 石岡の地域医療を考えるとき、市医師会における歴代の先生方の存在を忘れてはならないと思います。
 昭和54年に石岡メディカルセンター(現保健センター)が完成した際、医師会長だった川並輝さんは次のような一文を寄せています。
「我々、市医師会員は、この石岡地方において、代々の医業を受け継ぎ、発展させて参りましたが、今後も未来に向かって医療をとおして、社会の福祉に尽くすように、医師会としての連帯と、団結を強固にしたいと考えます」

 

 ちなみに、市医師会は昭和28年の設立時から小美玉市とかすみがうら市を含む広域の組織で、駅前にあった石岡協同病院の公営化や県内初のメディカルセンターの設置、医師会病院の建設など、時代に即した地域医療対策を、次々と打ち出していました。
 とりわけ、川並氏の跡を継いだ松葉弘会長は、地域医療にかける熱い想いをたぎらせて、昭和61年に石岡市医師会病院の診療開始にこぎつけました。

 

 開業して1年、それまでの道のりを振り返って、松葉会長は述懐しています。
「昭和49年8月、市と協力して、石岡市民医療懇談会を設け研究すると共に、休日診療、予防医学にその拠点づくりに専念した。……最後に、なくてはならないものは、この地域に根ざした中核的病院であった。……医師と患者の信頼関係にもとづく、医療の一貫性を保ち、患者を中心とする家族住民が安心してその健康を託せる型として、高機能、高度医療の可能な病院の設立を念願した」まさに熱意ほとばしる文章です。

 

そして30年後の今、石岡市の医療環境は大きく変貌しました。新たな課題は、産科医と小児科医の確保、緊急診療体制の充実が挙げられます。10月末に市民会館で開催の第3回市民医療懇談会で、その方向性が見えてくるはずです。
 医は仁術なり、歴代の赤ひげ先生たちの顔を思い浮かべながら、この含蓄のある言葉を噛みしめています。

 

文 今泉 文彦

 

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  • 【更新日】2018年10月24日
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