石岡地域市民医療シンポジウムを開催しました(令和2年2月9日)

令和2年2月9日(日)、ふれあいの里石岡ひまわりの館にて、石岡地域市民医療シンポジウムを開催しました。

シンポジウムでは、冒頭の市長あいさつの後、令和2年1月に策定した石岡地域医療計画の内容や、計画内で優先して実施する対策として示されている「病院の再編統合(公立化)と病床の再配分」で設置する公立病院の概要について説明しました。
(詳しくは、説明資料「石岡地域医療計画-石岡地域に必要な医療体制について-」をご確認ください。)

計画説明写真

第一部意見発表会

第一部の意見発表会では、「石岡地域に必要な医療体制」をテーマに、市民や医療機関関係者など7組8名の方に意見発表をしていただきました。各発表者の発表内容の概要は以下のとおりです。

(詳しくは、石岡市ホームページ「石岡地域市民医療シンポジウム第一部意見発表会の内容」をご確認ください。)

意見発表会1(小)意見発表会2(小)意見発表会3(小)意見発表会4(小)
意見発表会5(小)意見発表会6(小)意見発表会7(小)意見発表会まとめ(小)

【1番】山本様
『幸せな‘こんにちは赤ちゃん’のまちづくり』と題して、自身が分娩をする医療機関を探すのに苦労した経験をもとに、妊産婦としての意見を発表。石岡地域医療計画では、産科設置が中期に位置付けられており、ハードルが高いことはわかる。しかし、その状況でこそ、遠くからでも通いたくなるような独立した理想の産科医療機関を駅の近くに作ってほしい。若いカップルが移住したくなるような産科を看板とする人にやさしいまちづくりを行ってほしい。

【2番】小林様
石岡市医師会の立場として発言。産科がなくなり、小児科医療や救急医療も厳しい状況。医師の業務は多岐にわたり、緊急診療の運営にも苦慮している。15年以上新規開業がなく、このままでは開業が増えるどころか閉院が多くなるかもしれない。これを乗り切るためのひとつの答えが石岡地域医療計画。市民、医師、行政で協力し、持続可能な医療体制で誰もが安心して暮らせる石岡地域をともに目指したい。

【3番】石突様
石岡市医師会病院の院長として発言。茨城県はいいところだが、魅力が少ないのは医療の問題ではないか。医師会病院では、内科医が3人から2人に減り、病棟を整理しなければならない状況。赤字が増え、職員の待遇も悪くなり、人が離れ、さらなる病棟の閉鎖に繋がった。今回、公立化という案が出てきたが、スケジュールを見るとこれでは遅い。できるだけ早く実現するようにお願いしたい。

【4番】田口様,藤吉様
(田口様)東京で退職した後12年前に柿岡に移住し、一人暮らしをしている。去年転倒で骨折、医師会病院に入院し、今はリハビリで通院しているが、送迎の車が出るので助かっている。医師会病院がなくなるかもと聞き、送迎の車を頼りにしていることを伝えたい。
(藤吉様)八郷地区に住んでいる。石岡市医師会病院は、八郷地域には必要な病院。地域医療計画を何度も読んだが、公立病院を作るという案は唐突すぎて大丈夫なのかと感じる。私たちは、お医者さんへの信頼と病院の安心感があるから行く。計画内には「誰一人取り残されない体制づくりをするため」とあるが、アクセスが悪くなり矛盾しているのではないか、これでいいのか疑問を持っている。

【5番】高塚様
病院の地域包括ケア病棟や入退院支援室の師長をした経験から発言。国は地域包括ケアシステムの構築を進めているが、自分らしく暮らすには何が必要かわからない人が多い。石岡市が作成したカードの有効活用が大事だが、延命や最期にどのような治療を受けたいかを明記する場所がない。できれば電子システム化し、医療・介護・福祉の連携を強化したい。看護師、介護士の育成にも支援し、地域で働く医療職が増えるような取り組みや、地域全体の急性期と回復期のバランスも考えてほしい。また、出産前後を支援するシステムも必要。ショートステイする場所を作り、総合的に子育てを支援する場所が必要。地域で様々な世代の人が住みたいと思うようなまちづくりをお願いしたい。

【6番】櫻井様
大増に在住。母が亡くなる直前の7か月間医師会病院でお世話になった。病院の再編統合は残念で、医師会病院を分院として残せないのであれば、看護体制の良さをシステムとして残し、それを引き継いでほしいと思い発言。母は、脳梗塞で右半身が不自由になり、県立中央病院から私立の病院に転院したが、摂食についての方針が合わず、どんどん弱ってしまった。2か月後に転院した石岡市医師会病院は、家族の希望を受け入れてくれ、母の好きなものを直接食べさせることができた。看護師同士のチームワークができ、信頼して話ができた。この良さをシステムとして伝えてほしい。母は穏やかに過ごすことができ、病院に対して感謝でいっぱいである。

【7番】杉本様
石岡市石岡に在住。計画書を読んだ。産科や小児科を充実するのはいいと感じた。しかし、高齢化した人は身近に気軽に行けるということが大事。計画では医師会病院が吸収合併されるような形で出されているのが残念。八郷地区の医療の実態を考えれば、医師会病院をむしろ充実させるのが大事なのでは。ベッド数も総数が減になっているが、ベッドの必要性も検証してほしい。また、公立病院になって医師確保や看護師の確保が本当にできるのか不安。それよりも身近な病院を充実してほしい。在宅医療と介護についても充実させてほしい。

第2部講演会

第二部では「地域に医療を残すために」と題し、城西大学 伊関 友伸 先生による講演を行いました。

講演会写真

なぜ地方に医師が集まらなくなったのか、医療が持続可能であるためにはどうしたらいいのかなどについて、全国的な傾向や様々な事例などを交えながら講演していただきました。

石岡地域市民医療シンポジウムのアンケートで出された質問の回答について

石岡地域市民医療シンポジウムのアンケートにおいて、参加者の方からご質問をいただきましたのでお答えいたします。

  質問の概要 回答
1 借入金31億9,000万円の返済計画ですが、何年くらいかけて、何年に返済を終える計画か。(借入の時に契約書を作成するはずだが、それは何年の返済になっているか)

実際の借入は、病院の実施設計を行う段階に入ってからですので、現在の計画で回答させていただきます。
現在の想定だと、令和2年度から令和4年度まで年度ごとに必要な金額を借り入れ、借入の翌年から返済が始まり、30年で返済する計画です。

2 ガンは治る方向に向かっているか?

個別の病状等につきましては、かかりつけの医療機関等にご相談いただければと思います。

3 (1)医師会病院の年末手当のゼロと院長の話があったため、市としてぜひ援助をしてほしい。
 (2)医師会病院の閉鎖は困る。今日の伊関先生の話では決定では無いと云われるが、計画表では廃院は決定済みと読める。
 

(1)他の民間病院が経営を続けている中、経営悪化に伴う直接的な財政支援は難しいと考えます。再編統合に向け、経営を存続させるための協議や調整を検討しています。
(2)石岡地域医療計画では、医療資源を集約し、地域の医療機能を向上させるために、優先して実施する対策として「病院の再編統合と病床の再配分」を掲げています。計画の推進にあたっては,石岡市医師会病院と石岡第一病院を統合し、公立病院として設置することとなります。しかし、公立病院設置にあたっては、関連する省庁や医療機関との調整、議会の承認等が必要になり、この調整の中で計画の変更が必要になることもあり、決定済みということではございません。また、病院の再編統合にあたって、八郷地区の医療体制の確保が留意事項としてあげられています。公立病院設置後も、八郷地区の皆様が適切に医療サービスを受けられるように、この留意事項についても今後、対応策を考えていかなければならないと考えています。

4 (1)医療や介護に対する住民教育の計画があれば教えてほしい。
(2)病院の統合の中での病床だけなく在宅医療に対する計画があれば教えて下さい(往診)
 (1)住民教育に特化した計画というのはございませんが、当市では、出前講座等で医療や介護に対する講話等を開催しております。
(2)在宅医療に対する計画につきましても、計画は策定しておりませんが、当市の地域包括支援センターが主体となって在宅医療と介護を連携する取り組み等を行っています。
5 医療を必要とする人達の実態調査を実施した事はあるか。  国民健康保険を使って医療機関を受診した方などの診療状況や救急搬送の実態から、地域の受療動向等の調査を行っています。調査の一部は石岡地域医療計画に掲載しております。
6

医師会病院、石岡第一病院とも多額の累積赤字があるようだが、それらはいつ、どんな原因によるものなのか、自己分析に基づいた説明や今後どう解消していく見通しなのか、独自の方針を明らかにする責任があるのではないか。赤字補てんはしないとのことだが、今後、市立の医療機関になった場合の運営にも関係するので、明確に確認しておくべき。
私案だが、もし医師会病院の跡地が有効利用される具体的な計画がない場合は、分院として残し、新しい医療装置、機器を必要としない軽症の患者を対象に医療行為を存続できないか検討してほしい。

 石岡市医師会病院及び石岡第一病院の負債についてですが、病院の再編統合にあたっては、両者の負債は一切引き継がず、新しい病院として経営をスタートさせ、負債については各々清算することを予定しております。
石岡市医師会病院の跡地についても、現存の建物の維持や除却等にかかる経費を鑑み、市では引き受けない予定です。
八郷地区の医療体制の確保については、現在のところは、公立病院への交通手段の確保を中心に検討しております

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