20歳からサーフィンを始め,27歳でサーフショップを開店。お客さんに恵まれ,やりがいもあったんですが,いつからか仕入れたものを売るだけじゃなくて,自分で何かを作り出したいと思い始めたんです―――
そう話す石岡市東大橋の藤枝敏広さん(49歳)は,妻の一恵さんといちご栽培を始めて4年。
このほど,第5回茨城いちごグランプリで最高賞の県知事賞を受賞しました。これは茨城県いちご経営研究会が行っているもので,昨年は石岡市の辻地区でマルヨいちご園を営む松延利雄さん・たか子さんが同賞を受賞。石岡市内のいちご農家が,2年連続受賞という快挙です。
40代後半からの新たなチャレンジ
実家が農家だったため農地と機械はそろっていましたが,いちご栽培とは全く無縁だった敏広さん。一恵さんも元々美容師で,2人そろってゼロからのスタートでした。
「夫婦二人で出来る広さということで20aほどに,とちおとめといばらキッスの2種類の苗を植えました。お客さんとは顔の見える距離でいたいから直売。赤ちゃんにも安心して食べさせられるいちご作りのため,手間は惜しみません。最初の3年間は休みなしでしたね。でも,いちご農家の先輩たちや普及センターの職員さんから指導やアドバイスをいただきながら,なんとかやってこれました」
栽培歴わずか4年にしての県知事賞は「品種の特性を見事にとらえた適切な管理のたまもの」と審査委員長からも評価されています。
広がる,夢
「今年から栽培品種は,いばらキッスのみにしたんです。だって茨城県のブランドでしょう。これを通して,石岡から茨城を盛り上げていきたいんです。そして,俺もやってみようという若い人たちが,これから出てきてくれたらいいなと思っています」
育てた苗をハウスに定植するのは,9月半ば過ぎ。不安定な天候には気を抜けませんが,実ってお客さんに食べてもらっているのを創造すると頑張れますと笑顔で話しました。
※この記事は,広報いしおか2017年9月1日号(No.286)の巻末連載「石岡で,はたらくひと Vol.4」を転載したものです。