「田舎の自然に囲まれた循環する生活に憧れがあり、ここで暮らしたいと思うように」
千葉県我孫子市出身で、現在筑波大学に通う地域おこし協力隊の小原百惠さん。「大学では地下水の研究を行っています。環境問題に興味があり、それらを深く学べる学部があることから筑波大学に決めました。卒業研究は地下水をテーマにしており、フィールドとして八郷を選びました。」と話します。
石岡市の魅力は四季折々の山を楽しめるところだと思います。田舎の自然に囲まれた循環型の生活に憧れがあり、ここで暮らしたいと思うようになりました。また、出会う人に魅力を感じたこともきっかけの一つです。地元の農家さん、自営業の方、老後の生活を送るために八郷に来た人などいろいろな人と出会っていく中で、まちの人の雰囲気や風土などに惹かれました。
地域おこし協力隊とは、定住に向け、地域で新たな仕事を起こす人材を、地域外から積極的に受け入れ、人口減少・高齢化が進む地方の地域力を維持・強化することを目指すもの。平成21年に総務省が制度化し、全国800以上の自治体で多くの隊員が活躍中です。
石岡市の魅力は「四季折々の自然を楽しめること」
―小原さんが応募したきっかけは何ですか?
小原さん:千葉県我孫子市の出身であったため、山の大自然に触れる機会はあまりありませんでした。八郷の魅力は四季折々の山の姿を楽しめるところだと思います。田舎の自然に囲まれた循環する生活に憧れがあり、ここで暮らしたいと思うようになりました。また、出会う人に魅力を感じたこともきっかけの一つです。地元の農家さん、自営業の方、老後の生活を送るために八郷に来た人などいろいろな人と出会っていく中で、まちの人の雰囲気や風土などに惹かれました。
八郷の特徴は盆地であることです。盆地の大きさは他の地域と比べると小さいですが、水の流水経路は複雑だと思います。しかし、八郷は地下水を普段から使っている人が多く、水が豊かな地域だと感じています。
―実際に石岡市に移住してみた感想を教えてください。
小原さん:普段、不便さを感じることはありませんが、車がないとどこにも行けないことが難点の一つです。でも、現在はそういった点も楽しんでいます。
―現在の仕事の内容を教えてください。
小原さん:フリーミッションとして「水を中心とした環境教育」をテーマに活動しています。
移住定住につなげるためには、やはり子どもを育てている子育て世帯へのアプローチが重要であると考えます。八郷にある自然資材(火でお米を炊く・蛍を実際に見る)を使って、自然に囲まれ、子どもがのびのびと育つ生活イメージを普及させていきたいです。
市内外を問わず、様々な人へ伝えるアプローチとして移住ポータルサイト「MIPPE」や地域おこし協力隊のインスタグラムを開設し、ここで暮らすことについてイメージを持てるような発信をしていきたいです。
個人的には、地域課題(気候変動・人口減少など)について、暮らしの中から考えることが、目指したい環境教育の形です。電気を無駄遣いしないとか、四季の作物を食べるとか、機械に頼らずに、足踏み脱穀機で稲をお米にして、さらにお米を釜で炊くとか。日々の暮らしにこそと思っています。
―これから移住する人へのアドバイスはありますか?
小原さん:今すでに住んでいる人との関わりが重要だと思います。いくらネットを検索したところで、自分の思い描くような良い物件(庭があって、瓦屋根で、畳の家で・・・)を見つけられるかというと、そうでもないことが多いです。実際に来てみてお店の人と直接話すことで、その地域の雰囲気をきちんと知ることが大切だと思います。自分も茨城県内の色々なコミュニティに行ってみましたが、八郷の雰囲気・風土が合っていると感じました。人によっては行きたいと思っていても、いざ行ってみると理想と現実が違っていたなどということがあるかもしれません。田舎暮らしで大変なこともあるので、頼れる人がいると心強いと思います。
―今後の展望や目標はありますか?
小原さん:夢は大きく、「八郷といえば、石岡といえば、環境教育」という認識を作っていきたいなと考えています。そのために、地域全体で子育てできる環境について情報を発信していきたいです。私は、暮らし方はその人の生き方にもつながると思っており、自分の中の暮らしに対する考えを深め、他の人にも「暮らし」を考えるキッカケ作りが出来ればいいなと思います。
取材を終えて
現役大学生でもあり、学校に協力隊にと忙しい日々を過ごしている小原さん。明確な自分の考えを持ってミッションに取り組んでいる姿や、専門分野の説明を分かり易く説明してくださる姿がとても印象的でした。石岡市で見つけた新たな目標、地域を大切にしつつ、地域とともに盛り上げていきたい気持ちが伝わり、今後の活躍を期待するような取材となりました。