2015年11月,加生野(かよの)地区に県内初のゲストハウスjicca(ジッカ)が,オープンしました。ゲストハウスとは交流型の素泊まり宿。最近,若者を中心に人気があります。この宿を経営するのは,中小企業診断士でもある比企智浩さん。
「10年間,空き家になっていた実家を改装したんです。旅行者が自分の実家に帰ってきたような気持ちでくつろげる場所にしたかったから,jiccaと名付けました」
大学入学を機に,地元を離れ都内へ。学生時代からいつかは起業したいと思っていた比企さん。
まずはいろんな中小企業を知ろうと信用調査会社に入社。企業経営の体系的な知識を得るためと,中小企業診断士の勉強も始め,忙しく会社員生活を送っていた2年目の夏。
「帰省した時,田舎の景色に初めて癒されるという感覚を持ったんです。そういえば,大学4年で世界一周をした時に,心に残ったのは何気ない田舎の景色とその土地の人との出会いだったなと。東京から近距離で,この環境があるのはものすごい強み。ここなら何かできるんじゃないかっていう可能性を感じたんです」
石岡の魅力,茨城の魅力を発信
「何をやろうと考えたときに浮かんだのが,ゲストハウス。都内で会社員をしながら,週末に帰ってきて実家の改修作業。家族,友人,地元の工務店さんや建築士さんにもたくさん助けてもらいました」
オープンのため会社員を辞めて石岡に戻ってきたのが2年前。平日は中小企業の経営支援を行い,週末はゲストハウスの店主として,ほたる鑑賞や陶芸体験,茨城の地酒をテーマにした企画を開催。jiccaには,首都圏の20~30代の若者が集まります。
日本と海外を旅行し東京で働いて気づいた石岡の魅力。茨城にあるものを生かして,その魅力を発信していきたいと話します。
ゲストハウスjiccaの情報
※この記事は,広報いしおか2017年7月1日号(No.282)の巻末連載「石岡で,はたらくひと Vol.2」を転載したものです。