石岡市に来た人紹介 小林(須川)由季さん、須川雄仁さん 【前編】

【前編】

 東海林 航(しょうじ わたる)さん、量子(りょうこ)さんご夫妻からのバトンを受け取ってくれたのは 小林(須川)由季さん、須川雄仁さんご夫婦。

 由季さんは絵本作家。雄仁さんはバリスタ、キッチンカーでカフェを経営されています。ステキなカフェのロゴマークは由季さんデザインだそう❤

小林さん図1


 

 生まれ育ち 私は土浦市、夫は阿見町、共に大学進学後はそこから東京へ通学していました。
結婚後は阿見町に住み、その後つくば市に転居。そこから念願の石岡市へ移住しました。

 

 由季さんの原点 子供の頃通った小学校までの通学路は田んぼ道で、友達とザリガニやカエルを取ったり、途中にある川で魚を探したり。季節の移ろいを感じ楽しめる通学路は子ども心に誇りにさえ感じていました。

 そんな体験が後の絵本制作にも影響したと思います。

 美術の道に進み、各地のアートイベントやマルシェに参加していた20代。自分に合った環境を探すため、積極的にイベントにも出向いていました。そこで出会った有機農家さんとのご縁から、石岡市にある八郷へ援農に来ていました。田植えや稲刈り、収穫を手伝ううちに、食べ物にもより関心が深まっていきました。身体は自分が選んだ食べ物でできていることを体感し、安心で美味しいものを選びたいと思うようになりました。

 実際に自分で野菜を作ってみると、風雨に晒されて割れたり、虫に食べられたり、傷が付いたり、葉っぱが変色したり、立派な野菜を作ることの大変さも知りました。

 一方で、作物ができることへの神秘も感じ、誰に何を言われたわけでもないのに、春がくれば芽を出し、花を咲かせて、実らせる。土の中ってどうなっているんだろう?それって何で?土の中で何を吸収してこんなにおっきくなるんだろう。子どもみたいな好奇心で満たされていました。

 元々、大きく意識が変わったのは東日本大震災がきっかけでした。当時は美大生で絵を描くことや表現に夢中になっていた時でした。世の中が大きく変化する中、生きるって何だろう、これから私は、何をしていこう。誰のために何をすべきか…色々考え出し、作風や使う色が変わり、人々が笑顔になる作品を作りたいと思うようになりました。

 そこから”いのち”が作品作りの大きなテーマとなっていったような気がします。

 

 結婚後 夫の分まで食事を作るようになってからは更に意識が強くなり、無農薬や有機栽培の野菜を求め、”土“に対して再び好奇心が湧き出して、土壌微生物や発酵にも興味が湧いていきました。

 制作活動のうえでも、自然に近いところで、広い古民家や中古物件を自分たちで直して住んでみたいと思うようになりました。自然とヒトと、その他の生き物たちの距離が近くても適切と感じられる里山に魅力を感じていました。

しかし、実際に古民家物件を見に行くと、修繕だけでも時間とお金がたくさんかかることや日常生活を送るまでにストレスも増えたりと、不安もたくさんありました。そうなると創作活動どころではなくなってしまうんじゃないか?と思ったのです。

 

 先に八郷へ移住していた信頼する仲間 先輩移住者にも色んな話しを聞いてもらいました。八郷の自然環境の中で暮らしたい、そう思いながら長い間物件を探し何度か話がありましたが、自分たちに合った条件がなかなか見つからず、気がつけば10年の歳月が経っていました。

 ご縁が無いんだと諦めかけていたときに、私達のことをよく理解してくださる先輩移住者の方から連絡が入ったんです。

 中古物件でもリフォーム済みで暮らしやすい物件を紹介してくれたのです。居住エリアと夫婦共有のアトリエが区分けできて、裏庭付き!愛猫2匹も一緒に住める、めったに出会えない素敵なお家とご縁が繋がったのです。

 日用品は徒歩圏内の近所の商店街やスーパーで済ませることができ、トンネルが開通したことで県南や駅、都内へも行きやすく、信号が少ないので渋滞もほとんどありません。

自宅で過ごしていると、心地いい鳥たちの鳴き声が聞こえてきたり、少し歩けば絵画のように美しい里山と夕焼けのご褒美を見ることもできます。

 

 やさしく繋がる ご近所の方も親切で優しく、日常のお付き合いや冠婚葬祭、色々な慣習、つい最近では地域のお祭りのことなども丁寧にわかりやすく、移住者の私達にも教えてくださいます。そのうえ”若い人たちが頑張っていると応援したくなるわよね!”と、エールまで送ってくださる。だから私たちもお役に立ちたい、と素直に思えるのです。

近隣にある小さな祠(ほこら)には、いつも新鮮な榊があがっていたり。地域のお祭りや自然、受け継がれたものを今も大切にしている土地に移り住んだからこそ、自分たちも伝統や行事へあらためて興味がもてる。それってとても尊く、素晴らしいことだと思うのです。

小林さん図2

 第1作目の「あさごはんのたねは、NPO法人アグリバトンプロジェクトの一環として2020年に発行され、”農業は楽しい”をテーマに季節の畑や田んぼを旅するお話しで、当時の農林水産大臣であった小泉進次郎さんのお手元にも渡った作品です。

 絵本の挿絵には筑波山や茨城の景色を思わせる里山も描かれていたりします。当時は新型コロナウィルス流行期にあって、また世の中が変化していた時でした。その頃はアパート暮らしでしたが、近所に耕作放棄地があり、畑を借りることができたので絵本制作と同時進行で、畑で季節の野菜を育てていました。

 続く2作目は牛飼いさん(畜産)が題材になっています。市内で酪農業を営む鈴木牧場さんに取材させていただいたりもしました。農業とはまた違った命の大切さを学びました。

現在、シリーズ絵本の3作目の制作に入るため、全国の農家さんの元へ取材に行きますが、いつか八郷を舞台にした絵本や絵が描けたらと思っています。


 

 小林由季さんから“石岡市のみなさま”へ。第2作目となる「きょうのよるごはん」が寄贈されました。

アグリバトンプロジェクトから既に寄贈されていた第1作目の「あさごはんのたね」と合わせて、とても可愛らしいイラストとサインを描いてくださいました。

 本庁1階キッズスペースでご覧いただけます!ご来庁時にはぜひお手に取ってご覧ください。

 

続く後編では、雄仁さんのお話し、これからのこと、ちょっと困ったこと、などのお話しをお届けします。

小林さん図3

 

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  • 【更新日】2025年12月17日
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