
唐破風屋根をもつ単層型の踊り屋台です。踊りや囃子を披露する前舞台と、後方の楽屋部分から構成されます。台輪より上が360度回転します。
唐破風上の鬼板の彫り物裏の銘から、嘉永5年(1852)に棟梁小井戸彦五郎、彫師後藤源之助、塗師伊藤長五郎により製作されたと考えられます。江戸時代の愛宕祭礼や祇園祭礼の記録には森木町や香丸町等による踊り屋台の記録が残り、本屋台はもとは香丸町所有であったものが森木町に譲渡されたと伝承されています。
明治期以降は常陸國總社宮例大祭(石岡のおまつり)において使用されました。一時使用が途絶えましたが、昭和54年の森木町年番時に復活し、巡行されました。その後、平成6年、平成21年の森木町年番時に組み上げられ、仮殿付近に展示されました。
現在、常陸國總社宮例大祭の出し物は、人形山車と幌獅子に二本化されています。本屋台はそれ以前の、近世から近代、現代までの同祭礼における風流の変遷や多様さを示す貴重な資料です。また、当市を含む霞ケ浦北岸地域においても現存する稀少な例であるとともに、定期的に組み上げを行い、組み上げ技術が継承されている点でも重要です。