常陸國總社宮の例大祭(石岡のおまつり)に伴って巡行する祭礼風流の行事です。氏子の町内より、多数の獅子や山車が曳き出されます。
獅子は、幌のなかの胴部に屋台を納め、そこに囃子方を入れて行道することから「幌獅子」と呼ばれています。「屋台獅子」の形態をとりますが、独自の形相をもっています。
山車は、二層から三層構造で、中層が舞台となり、最上部には依り代となる人形が乗ります。いわゆる江戸型山車ですが、舞台上では踊りと笛・鉦の演奏が行われるのみで、太鼓は側面に組み立てられた場所で奏される独自なものとなっています。
ささらは、一人立ちの3人1組からなる三匹獅子舞で、「棒ささら」と呼ばれるものです。神輿渡御の露払いを務めますが、明和年間(1764-1772)の祇園祭においてすでに神幸行列の先頭を務めており、青屋祭の先払いに起源を持つ可能性があります。
江戸の都市祭礼の影響を受けながら発展したものですが、江戸型山車の変容に加え、独自の幌獅子、在地性の強いささらと、地域固有な祭礼文化へと発展を遂げています。また、周辺の諸地域のお祭りや祭囃子に影響を与えており、この地方を代表する重要な行事です。