5月6日(火)
筑波山麓に集う
朝日トンネル開通以来、これまで以上に筑波山麓へ多くの人が訪れるようになりました。
特に新緑のこの季節は山並みが美しく、薫風と野鳥のさえずりに心惹かれて、山路を散策する人が多く見られます。
私の家は筑波連山の小高い山中にあり、この時期は山菜採りやハイキング、自転車登山、ジョギングなどを楽しむ人々が賑やかに往来します。
夏になると、庭にゲンジボタルが舞い、オニヤンマが飛び交います。水の流れにはサワガニがいて、石をどけるとハサミをもたげて逃げ出します。
「あ、いたいた! カニさんだ」とかわいいお客さんは歓声を上げました。
その5歳の女の子と3歳の男の子は、龍ケ崎市から両親と遊びにきたのですが、早緑のシャワーの中でじっとしていられない様子でした。
眼下には、水の張られた田んぼが空を映し、その先にはマイカーの列がフラワーパークへゆっくりと移動していました。
4 月27日には、この近くでトレイルラン大会が開かれ、800 人の健脚が高低差300 メートルの山道を駆け抜けました。
主催は石岡トレイルランクラブで、県や市などが後援し、地元弓弦(ゆづり)・半田両地区でも準備や当日のサポートを担当しました。
地域をあげて、里山の魅力を発信しようという取り組みです。
4月30日には、横浜市のパシフィコ横浜で、日本ジオパーク認定に向けた公開プレゼンテーションが行われ、筑波山地域でもそれに臨みました。ジオパークは、認定されると価値の高い地質・地形のある自然遺産として登録されます。
すでに国内には、ジオパークとして新潟県糸魚川など33地域が認められています。
筑波山地域の石岡とつくば、桜川、笠間、土浦、かすみがうらの各市で、筑波山の価値を知ってもらおうと認定を目指しました。8月28日に、全国6地域の中からいずれかが選ばれることになります。
横浜の会場には、200 人を超える6市の関係者が参加し、発表を見守りました。(応援、心から感謝します)
いま筑波山は、自然の中の癒しの空間、食と健康を満喫できる里山、アウトドアスポーツのフィールドなど、人それぞれに楽しめる地域資源です。
「ほら、パパ、お山がきれいだよ!」子供たちが筑波山を見て言いました。
「本当だ、きれいだね」龍ヶ崎市から来た親子は、じっと新緑の山並みを見つめていました。
▲連休最終日に来たかわいいお客さま
文・写真 今泉 文彦