2月3日 人々の言葉の中から
ある文芸評論家の講演会を聞いて、次の2点が心に刻まれました。一つは、昨年は明治百五十年、さらに今年は記念すべき改元の年で、今こそ日本という国を見つめ直す好機であること。二つめは、これからの日本については、美を追求してきたが義に切り替えるべきと思う。
具体的には、それを実現する方策として、昭和15
年の紀元二千六百年記念に作られた交声曲「海道東征」を全国各地の主要都市で公演して、雰囲気を高めてはいかがであろうかという趣旨でした。
因みに、作詞は北原白秋で作曲は信時潔の両天才で、そのスケールの大きさに聴衆は感動の極みに達したといいます。また、作曲家の信時潔は全国の公立高校など約600校の校歌を手がけ、そのうちの一曲に石岡一高の校歌が含まれています。
また過日ひまわりの館で開催された「地域福祉を考える集い」では、8人の発表者が、それぞれに素晴らしい意見発表を展開しました。中高校生の二人は、聴く者に成長と未来を感じさせ、年長者の6人は思いやりの大切さを伝えてくれました。常々地方自治体は時代の変化を先回りして捕まえ、予めそれに備えることが責務の一つだろうと感じています。
人口減少問題がその代表格でした。その内側にあったのが少子化と超高齢化の二つで、政策に取り組むに従い、新たな局面が次々と出現してきます。子育て支援や健康寿命などの言葉は2000年以降に頻出するようになりました。
人生百年、包括支援なる4字成句は、さらにその先にある未来を暗示する意味深い言葉で、究極の超高齢化の到来と地域福祉のパッケージ化が顕著になった気がします。日々、様々な人々の言葉の中から私は新しい時代の流れを強く感じています。
文 今泉 文彦