
古来より石岡には,府中六井(小目井,石井,室ヶ井,鈴緒井,野々井,杉の井)の言い伝えがある。しかし六井は,北ノ谷のホチ水や田端井が入る説など必ずしも六ヶ所の井戸ではない。
かつて,府中六井の付近は,耕作が禁止され,周辺の畑地の肥料の使用も厳禁とされ,湧水の清らかさが守られていた。その清水で目を洗えば眼病がたちどころに治ると,遠方からも参拝者が訪れて,大いに賑わったといわれている。残念ながら昭和30年代には,市街化によりほとんどが消えているが,「杉の井」,「石井」,「小目井」は,地元の方々の協力により,今でも大切に守られている。