税所とは、平安・鎌倉時代の役所の機関の1つで、その国の税の収納をつかさどっていました。
本来は役所の役職の1つでしたが、代々世襲するうちに税所氏を名乗り、国府のあった石岡に定着したようです。その後は石岡市を治めていた大掾氏と婚姻関係を結び、豪族としての地位を保っていきました。大掾氏滅亡後は現在の石岡市内に戻り、国司の大事な仕事であった青屋祭りを復活させています。
税所家に伝えられたこの文書は、文化4年(1807)、水戸藩の家臣で『大日本史』の編さんにあたった立原翠軒が、散逸することを恐れ原本を3帖に表装したことが記されています。
税所文書は税所氏の公私にわたる活動や所領形態が記されており、中世史研究の貴重な資料となっています。