経筒と石櫃
経筒
石岡市の嘉良寿理(ギター文化館前)から出土したもので、現在は石岡市中央公民館にて展示しています。
これらは、花崗岩製の石櫃(いしびつ)の中に経典を入れた筒を収め、塚を築いて埋納したものと思われます。
経筒を埋める風習は平安時代以降に盛んに行われました。これは釈迦が亡くなると仏法が徐々に滅んでいき、やがて、仏法が及ばなくなる末法の時代を迎えるという末法思想によるものです。つまり、経典を地中に埋めておくことで、経典を保存しておこうとしたわけです。
嘉良寿理出土のものは、筒の表面に「大永3年(1523)、甲州高屋住道善 小聖善貞」と刻まれており、現在の山梨県に住んでいた道善らが納めたことがわかります。