常陸国衙工房跡とされる鹿の子遺跡では、全国的にみても多くの漆紙文書が出土しています。漆紙文書とはかつて公文書として使われた紙が、漆が蒸発しないように入れ物の落し蓋として再利用されたものです。したがって、残りのよいものは入れ物の形である円形をしています。
左の写真は実物の漆紙文書で、右の写真は赤外線を当て、文字が見えるようにしたものです。
内容的には、田籍関係文書(田の耕作者や位置が記載されている文書)、兵士関係文書(兵士が戦争に持っていくべき武器が記載されている文書)、戸籍・計帳関係文書(土地・人民支配の基本台帳)など重要な文書を数多く含んでおり、学問的価値の高いものです。
復元された漆紙文書は、常陸風土記の丘、石岡市立ふるさと歴史館にて公開されています。