石岡市吉生の北端に峰寺山があり、その中腹に西光院はあります。
寺伝によると平安時代初頭の大同2年(807)、徳一法師の開基とされています。徳一法師は藤原仲麻呂の弟9子として生まれ、4歳で仏門に入り、20歳のころには奈良でも有名な高僧となりました。しかし、現状の仏教に飽き足らず、関東や東北で30余の寺院を建立した名僧と言われています。
西光院本堂
本堂は総高22mの寄棟造で、崖の上に柱を組み上げた、懸造(かけづくり)という珍しい建造物です。
また、回廊からのすばらしい眺めから「関東の清水寺」とも呼ばれ、昭和25年には「茨城百景」の一つに選ばれました。
木造立木観音菩薩像
高さ5.9mもの巨大な仏像で、元々はふもとにあった立木山高照院長谷寺の本尊と伝わっています。
一本の立木に刻んだものと思われますが、腕の部分は寄木です。平安時代の作と思われます。